イサム・ノグチ展へ再び
ここしばらくは灼熱の日々が続いています。
皆さま、お変わりありませんか。
「イサム・ノグチ展」をもう一度見たいと思い、上野・都美術館に出かけました。
作品の中に御影石で作られたものがたくさんあり、心が惹かれていました。
実家のあった所の地質が花崗岩で今も所々に切り出された後が残っています。
岩に楔を打ち込んで割ったような後が、妙に記憶にあります。
花崗岩を石材として呼ぶ時に御影石(みかげいし)と言うそうです。
「御影」という地名もあります。
数多くの作品が展示されていました。
子供の頭部で台に接し出っぱったところが鼻(?)
うつむいた子供の顔が想像できて楽しい。
「お地蔵さん」 花崗岩
ブロンズ、金属。
「雨の山」 溶融亜鉛メッキ剛版
「雲の山」 溶融亜鉛メッキ剛版
「プレイスカルプチェア」 鋼鉄
遊具
「リス」
「柿」
「リス」や「柿」など身近なものも。
可愛くて思わず、にっこり。折り紙や切り絵の世界です。
「びっくり箱」 溶融亜鉛メッキ剛版
紙を折りたたんだ様な感じ
背景には「あかり」
あかりシリーズ
会場中央に配置された「あかり」
手前に置かれたのは「黒い太陽」 花崗岩
「あかり」のライトの明度が徐々に変化して行きます。
提携しているようです(?)
ブロンズ
「スクエア・ベル」 ブロンズ
石になるべく手を加えない姿で自然と一体になっている枯山水のような作品は晩年に多く見られます。
それらは別のフロアで展示され、カメラが禁止で写せませんでした。
香川の庭園美術館の様子はビデオで放映され、雨音、木々の葉の音、鳥の声で
臨場感あふれていました。
いづれも簡潔に表現され、それでいて納得する作品でした。
それに楽しめるのも魅力の一つです。
イサム・ノグチ展の隣の会場では、興味深い内容の作品が紹介されていました。
作家として生きた人ではなく、人生の様々な問題を抱えながら、作品を作りながら
自分も周りの人達も支えた方たちの作品が展示されていました。
作品を見ているだけで、じんじんと心の奥に入ってくるのです。
ーー Walls & Bridges 壁は橋になる ーー
増山たづ子さん
岐阜の山奥に住んだ「カメラばあちゃん」と親しまれた方の写真。
結婚して間もなく出征したご主人。戦後になってもご主人は帰ってこられなかったそうです。
住んでいる村がダムの水底に沈んでしまうことになり、ご主人が帰られた時に話し見せられるようにと写真を撮り始めたのだそうです。
おびただしい数の写真ですです。
初期のは黄色く変色しており、村の人たちの様子も次第に変わってき、カラー写真に。
一番素晴らしいのは、村の人達の笑顔です。 どの写真も笑顔!
赤ちゃんからお年寄りまで笑顔です! 年金は全て、写真のために使われたそうです。
横山さんが89歳で亡くなった後、村はダム作りのため無くなったそうです。
どの写真も少し前の日常が表わされていて、懐かしい感じがし、その場を離れがたく
思いました。
東 勝吉さん
大分の日田の山で木こりの仕事をなさっていた方です。
リタイアをして由布院の老人ホームに入り、そこでホームの園長から頂いた水彩絵具で
絵を描き始めたそうです。83歳で始め、由布院の風景や人々を題材に99歳で亡くなるまで
描かれていたそうです。
大らかな構図で透き通るような色彩と緻密に描かれた部分とが新鮮に感じました。
さわやな画風が作者を表しているようです。
ズビニェク・セカルさん
チェコのプラハの産まれ。反ナチス運動に関わり投獄され、強制収容所を体験。
後年、彫刻や絵画を制作。
言葉では表せない閉塞感?のようなものが漂っていました。
「十字架」
「引き出し」
ーーーー 上野公園の広場にロボットが出現 ーーーー
特設舞台の上に4台のロボットが横に動くようになっています。
手前のベルト状のもので引っ張ってロボット本体を動かしています。
舞台の中央のには、枯山水のように長い箒の掃き目がつけられています。
係の方の説明によると、競技場で行われているパラリンピックのバスケの選手の
動きをロボットのアームがしているようです。
動きが砂に伝わり、図案を描いているのだそうです。
係の方もよくわからないそうです・・・・?
ーーーー 聖林寺十一面観音 ーーーー
最後に国立博物館で開催されている法隆寺展ではなく、聖林寺十一面観音を拝見しました。
奈良の三輪山の麓に居られる観音様です。
今回、初めて外での展示と伺いました。
ふっくらした大らかなお姿でした。
観音様は保護と防犯上の関係でガラスのケースに入って居られるました。
近くから拝見したのですが、ケースの存在を知りませんでした。
同時に会場から出て来た人が「仏様が入ったケースは特別なものでケースを感じなかった」、 と話されていました。
びっくりです!!
十一面観音様と同じ空間にいると思っていました。