しみじみと月を見る
今年はうさぎが餅をついている姿はなく真ん丸のお月さまでした。
オレンジ色から次第に檸檬色に変わって明るさも増していったような。
時々、雲が表情を変えてくれるので、しみじみとした気持ちになります。
お月さまと "しみじみ" の関係は昔からあるみたいです。
百人一首では月が出てくる情景がたくさん詠まれています。
学校では和歌を誰が詠んだとか、全体的な内容の把握、文法的な事などを中心に教わったように思います。
内容を熟考したり、十分に思いめぐらしたりすることはなく過ぎていました。
改めて読むと、昔の人はよく月を見ているのに気づきます。
女性は想い人が来ないと言って月を見、想い人が帰る時には寂しくて月を見、
夜になると見るものがないので月を見、” しみじみ” 。
島流しになって月を見上げ、” しみじみ " と都を思い、涙を流すのです。
現代人の私たちは、スーパームーンだと報じられれば、カメラを向け、
天気が良くなければTVの画面を見る。
普段は、建物の陰で月の姿を見ることが少なく、また忙しくて空を見上げるのを
忘れています。
現に私もせっかちで東の空に姿が見えないと南側に走り、それでも見えない時には
時間をおいて又覗きにいきます。
じっと待つということが出来ないのです。
その間に、他の事をしてしまうとお月さまのことはすっかり忘れ、
次の日の朝のTVの報道で思い出します。
”しみじみ ” と月を愛でる生活はなかなか難しいです。
それでも、ススキと萩、そしてお団子も供えたいと思い買い物に出ました。
数日前より歩道のススキをちょっとだけ頂こうと思っていたのですが、
市の清掃の方が綺麗に刈ってしまい、無くなってしまいました。
お花はお彼岸系が多く、お団子もなくてお供えをあきらめました。
はっと思い出したのが、冷凍庫に入っている業務スーパーで買ったプチ大福です。
器に盛るとお月見のお供え餅に一見見えます。
月見団子は中にあんこは入っていないのですが、今回はちょっと省略しました。
十三夜(10月18日)にはちゃんと用意をして作ろうかと思っています。
でも、どちらか一方しか見ないのは「片見月」なり忌み嫌うので、
十三夜もしみじみと見ることにします。
「十日夜」(とおかんや・11月14日)というのもある事を最近知りました。
収穫祭だそうです。
日本人とお月さまは切れない関係ですね。
ぶり返したように暑かったこの2、3日ですが、今日はどうやら落ち着いたようです。
夏が去り、虫たちの大合唱。
しみじみと秋を味わいたいものです。