曜変天目茶碗をたづねて
自粛生活が長くなっています。
久しく美術館に出かけていません。
85歳の先輩が去年に引続き、所属している会の展覧会も開催が変更され、そして中止になりました。搬入までしたのに開催中止になったようです。
今日のニュースでは更に来月の20日まで緊急事態宣言が延長されるらしいです。
国立や都立の施設の多くは臨時休業となっています。
私立の施設もその都度調べる必要があるようです。
先日、大失敗をしてしまいました。
拝見したいものがあり、少し前に開催の有無を調べて大丈夫のようだったので出かけました。
世田谷にある静嘉堂文庫です。
岩崎財閥の2代目が収集した書籍や古美術を所蔵していることで有名です。
ところが、この静嘉堂文庫が6月6日で閉館となります。
最後の展示として 「旅立ちの美術」 が開催となっていました。
この展示で国宝の 「曜変天目茶碗」 が展示されるということで、
是非是非この静嘉堂文庫の中で拝見できればと思いました。
以前、この 「曜変天目茶碗 」を京都の国立博物館の国宝展(2017年11月)で拝見しました。
大変な混みようでしかも最終日前日、夕刻に入場。
待たずに済みました。
しかも博物館と京都タワーのライトアップが美しかったこと。
曜変天目茶碗、展示されていました。
両手で包み込むように持ち覗き込むと茶碗の中が宇宙を彷彿するようなスケールの大きさを感じました。(ガラスケースに入っていたので触れられません)
この茶碗は中国から来たもので世界に三つしかないそうで、しかも全て日本にあるそうです。
一つは、京都大徳寺
もう一つは、大阪藤田美術館
全て国宝だそうですが、かって京都の博物館で拝見したのはどのお茶碗だったのでしょうか。
ライトがお茶碗の内側にあたり、それが七色の虹のような漆黒の天の星の輝きをしていました。
圧倒されて説明されたプレートを見逃してしまいました。
静嘉堂文庫は閉園でも敷地には入ることができます。
雑木に覆われたゆるい坂道を上って行きます。
途中で、茶のとら猫が茂みから現れ、こちらを見ながら斜め歩きをし、先導してくれました。そして、建物が見える所に来ると、藪の中に入って行きました。
「ありがと! とら猫ちゃん!! 」
建物の前まで来て、ふと気がつくとあのとら猫ちゃんが後ろに控えていました。
静嘉堂文庫
美術館入口に張り出されたポスター
今この大きな敷地の1部は区立公園だそうです。
雑木林の中には岩崎家の廟もありました。
この階段を降りた川べりに鳥が2羽、くつろいでいました。
お茶碗は拝見できませんでしたが、広い庭をゆっくりと散策できました。
この敷地の中には八幡神社や民家園もあるようです。
自粛期間がマタマタ、マタ延長されるそうです。
でも、そのなかで美術館が条件付きで開場されるとか・・・・。
どうなるのでしょうか。